永遠の絆
「葵。今から言う事聞いて!諒ちゃん…分かんないけど探してるかも知んない」
「……」
「こんな行動とってんのがバレたら諒ちゃん半端なくキレると思う。葵だって分かるでしょ?諒ちゃんが怒ったら半端ないってのは…」
「う、うん…」
「とりあえず葵は諒ちゃんに迎えに来てもらって?」
「え、何で?そんな事したら…」
葵は顔を顰めながら視線を落とす。
「葵も知ってると思うけど、ここから諒ちゃんちはすぐなの。だから葵は諒ちゃんちに行こうとしたら迷ったって言えばいい。携帯は充電が切れてコンビニ探してたって言えばいい」
「で、でも…」
「大丈夫。諒ちゃんに会いたくなったって言えばいい」
「み、美咲は?」
「あたしは…まだ…やる事あるから」
小さく呟いたあたしに葵は目を潤ませる。
「行くの?美咲!!このまま逃げよ?」
「ダメだよ…。大丈夫だから心配しないで。話つけてから帰るから。だから葵は諒ちゃん呼んで帰りな。きっと諒ちゃん心配してる」
「……」
「ね、早く電話しな」
そう言ったあたしは葵の携帯と、さっき買って来たばかりの充電器を取りカモフラージュする為、携帯に挿す。
そして電源を入れた瞬間、パァっと辺りが明るくなった。