永遠の絆
その出来上がった携帯を葵に渡し、コクンと頷く。
「美咲…バレないかな…」
不安そうな声を出す葵の手を強く握りしめる。
「大丈夫」
確信なんて何もない。後の事なんて過ぎてみないと分かんない。一(いち)か八(ばち)かで試してみないと分かんない。
「でも…」
「分かってると思うけど諒ちゃんには秘密だよ。何も言っちゃダメだよ!!あたしの事は心配しないでいいから。葵は平然として帰んな」
「……」
「…泣いちゃダメだよ」
強く握りしめていた葵の手を離し、今にも泣きそうな葵をあたしは軽く抱きしめた。
少しだけ抱きしめた葵をそっと離し肩を軽くポンっと叩いて、あたしは優しく微笑んだ。
葵はあまり納得できない表情で携帯を操作し、ゆっくりと耳に当てる。
「…葵か?」
辺りが静かな所為もあって、葵の隣にいるあたしにまで諒ちゃんの声は良く聞こえていた。
「う、うん…」
「つーか、何してる?何処にいんだよ」
やっぱ諒ちゃんは探してた。
隣に居るあたしまでドキドキして次に何言われるのかハラハラする。こんなに落ち着きがないのも初めてかもってくらいに心臓がバクバクした。