永遠の絆

「…っと、あのね、諒也先輩の家に行こうとしてたんだけど道に迷って…」


見た感じで分かる。葵はソワソワしてていかにもバレそうな言い方。

思わずあたしは額に手を当てて目を瞑った。


「はぁ?俺んちにか?」

「うん」

「うんってお前、今何時か分かってっか?」

「え、えっと21時かな…」

「違ぇーよ。もうすぐ23時。つーか何で電源切ってた」

「道…分かんなくなって掛けようとしたんだけど携帯の充電が切れちゃって…そ、それでコンビニ探してた」

「はぁ?訳わかんね」


葵はあたしが言った通りちゃんと告げたけど、諒ちゃんはいかにも納得出来ないって感じで呟いた。


「つかよ、美咲も一緒か?」


そう聞こえた瞬間思わず葵を見た。葵もあたしを見てて…そんな葵に素早く首を振る。


「え、ううん…あたし一人だよ。どうしたの?」

「いや、別に」


一瞬ヒヤっとした。

葵と諒ちゃんの電話が終わるまでソワソワしていたのは葵以上にあたしだったかも知んない。

落ち着く事も出来ず何回か深呼吸をした。


話の内容が終わったのか葵は浮かない顔をし携帯の画面を暫く見つめてた。



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