永遠の絆
バチン…っと弾ける音が聞こえ扉の上にある“手術中”のランプが消えたのはカナリ時間が経ってからだった。
時計を一度も見ていなかったから実際どれくらい何時間居たのかも分かんなかったけど、凄く長い間いたのには違いなかった。
ソファーに泣き続けながら横たわってた葵は、ドアが開いた瞬間に勢い良く立ち上がる。
中から姿を現せたのは40代前半ってくらいの医師。額から少し汗が浮き出た先生は口に付けていたマスクをスッと取ると同時に葵は先生の制服を掴んだ。
「先生!!」
張り上げた声を出す葵に先生は一息吐き、安心した笑みを漏らす。
「大丈夫です。命に別状はありません」
「ホントですか?」
「はい。もう心配ありませんよ。暫くの間は安静が必要なので入院の手続きをお願いします。…ご家族の方は?」
「…えっと、そのまだ…」
「後で必ず伝えます」
葵が言葉に迷ってる途中、あたしは口を挟む。
先生の目は葵からあたしへと移り、
「ではまた来られましたら看護師にお伝え下さい」
「はい…」
あたしはそう小さく呟き葵に視線を送った。