永遠の絆
「ねぇ、美咲!どうしょう…先輩の両親にこんな事、言えないよね?……刺されたなんて…言えないよ」
医師が姿を消した後、葵は止まっていた涙をもう一度流しそう問い掛ける。
「…どうしょう…あたしの所為だ」
続けられた震えた言葉に葵は顔を手で覆う。
「…葵の所為なんかじゃないよ。悪いのはあたし…あたしだから。葵は何も悪くないよ」
「で、でもっ、」
「ごめん…葵。…諒ちゃんのママにはあたしからちゃんと説明するから心配しなくていいよ」
「でも…」
「葵は諒ちゃんの傍に居てあげて」
「み、美咲は?」
顔を覆ってた手を取り葵は潤んだ目であたしを見つめる。
「うん…。なんか…翔の事も気になるし…」
「そ、そっか…。彩吹さん…じゃなくて…芹沢さんだっけ?なんか迷惑かけちゃったね」
「ううん。葵、家大丈夫?きっと心配してるよ?なんならあたしんちに居るって言っていいから」
「うん。ごめんね美咲」
そう言った葵にあたしは首を振り葵に背を向けて歩き出す。