永遠の絆
「あ、あの…って言うか、今回はあたしが…」
そこまで言うと諒ちゃんママは薄ら笑みを零す。
「もういいよ。生きてるって聞いただけで安心したし。…ちゃんと育てたつもりだったけどね…どこでどう食い違ったのかね」
そう言われた言葉が何だかあたしに言われているみたいで胸が急に苦しくなった。
あたしのママもそんなふうに思ってるんだろうかって思ったりもした。何だか諒ちゃんママがあたしに言ってるみたいで、それ以上口を開く事はなかった。
帰り際に諒ちゃんママが私物を渡してくれた。どれだかさっぱり分かんないけどって言いながら紙袋に服が詰め込んであった。
来ないんですかって聞くあたしに、どうせ行っても相手してくれないと思うしって言って哀しそうに笑ってた。
諒ちゃんちを出てすぐに向かった先は諒ちゃんが居る病院。さっき受け取ったばかりの紙袋を抱えながら、あたしは諒ちゃんが居る部屋をノックした。
勿論、返ってくる返事はなくあたしはドアをスライドさせる。個室の部屋に足を踏み入れカーテンを手で開けるとそこには眠っている諒ちゃんがいた。
だけどそこには葵の姿はなかった。
麻酔がまだ効いているのか諒ちゃんは眠ったままで、あたしは持っていた紙袋をソファーの上に置いてすぐに部屋を出た。