永遠の絆
「え、意味分かんないんだけど」
「何つーか、お前の事が気になって…。誰か傍に居ねーとお前何すっか分かんなかったし…」
「え、…諒ちゃんってあたしが好きだったの?」
「はぁ!?」
突然声を上げた諒ちゃんは眉間にシワを寄せたままあたしを見る。いかにも何言ってんだって顔付きであたしを見る。
「だ、だって気になるって言ったじゃん…」
「そう言う意味で言ってんじゃねぇよ。お前になんか欲情しねぇよ。現にこの前お前の裸見たけど欲情しなかったしよ」
「あっそ」
「ま、何つーかよく分かんねぇけど、お前を止める誰かが必要って思って」
「……」
「でも、それは葵じゃダメだし葵が言っても聞かねぇしっつーか俺が言ってもお前は聞こうとはしねぇけどな。お前の事で辛くなる葵の姿とか見てられなかったし…でもまぁ、もうそれも必要ねぇなって思ってさ」
「……」
「ま、お前が初めてこうやって何でも言える付き合いだったからな」
“女との付き合いなんていらなかった俺がな…”
そう付け加えて諒ちゃんは口角を上げた。
「さてと戻るか」
そう言って顔を顰めながら痛々しく立ち上がる諒ちゃんに、あたしはそっと手を貸す。
「だ、大丈夫?歩けんの?」
「お前なぁ…そう言う事は普通来る時に言うだろうが」
「あ、そっか」
「んじゃあな、学校行けよ」
「言われなくても行きます」
そっと諒ちゃんの腕を離すと諒ちゃんは優しく微笑んで背を向け、ヒラヒラと右手を振った。