永遠の絆

「え、意味分かんないんだけど」

「何つーか、お前の事が気になって…。誰か傍に居ねーとお前何すっか分かんなかったし…」

「え、…諒ちゃんってあたしが好きだったの?」

「はぁ!?」


突然声を上げた諒ちゃんは眉間にシワを寄せたままあたしを見る。いかにも何言ってんだって顔付きであたしを見る。


「だ、だって気になるって言ったじゃん…」

「そう言う意味で言ってんじゃねぇよ。お前になんか欲情しねぇよ。現にこの前お前の裸見たけど欲情しなかったしよ」

「あっそ」

「ま、何つーかよく分かんねぇけど、お前を止める誰かが必要って思って」

「……」

「でも、それは葵じゃダメだし葵が言っても聞かねぇしっつーか俺が言ってもお前は聞こうとはしねぇけどな。お前の事で辛くなる葵の姿とか見てられなかったし…でもまぁ、もうそれも必要ねぇなって思ってさ」

「……」

「ま、お前が初めてこうやって何でも言える付き合いだったからな」


“女との付き合いなんていらなかった俺がな…”


そう付け加えて諒ちゃんは口角を上げた。


「さてと戻るか」


そう言って顔を顰めながら痛々しく立ち上がる諒ちゃんに、あたしはそっと手を貸す。


「だ、大丈夫?歩けんの?」

「お前なぁ…そう言う事は普通来る時に言うだろうが」

「あ、そっか」

「んじゃあな、学校行けよ」

「言われなくても行きます」


そっと諒ちゃんの腕を離すと諒ちゃんは優しく微笑んで背を向け、ヒラヒラと右手を振った。



< 448 / 595 >

この作品をシェア

pagetop