永遠の絆
「掛けたからってどうこうなる訳じゃねぇし、葵が決める事だろ?俺が呼んで来た所で不安そうな顔されっのも嫌だしよ。どうせアイツの事だから自分を責めてんだろ?」
まるで葵の事を全て知っているかの様に諒ちゃんは言った。
だんだん落ちて行くあたしの視線が地面に達した時、あたしは軽く息を吐いた。
「うん、まぁ…ね」
そう小さく呟いて目を瞑り、あたしは額に手を当てる。
「だろうな」
諒ちゃんが低く呟いた言葉に切なくなった。葵が悪いわけじゃないのにって、そう心の中で叫ぶだけ苦しくなった。
「…なんか、もう…分かんないや…」
何を言ったらいいのか何て分かんなかった。
全てが嫌で全てが訳分かんなくて、あたしの口からは小さなため息ばかり出て、額に当てていた手をゆっくりと下に下ろし顔を隠す。
自分の感情がうまくコントロール出来なくてどうしょうもなかった。
と、同時に目尻から落ちてくる滴にあたしは息を呑む。
フ―っと深呼吸をし滑り落ちてきた涙をそっと拭い、あたしは手を離して空を仰いだ。
心を落ち着かせようと見上げるけど、やっぱりどこか哀しくてあたしの目からまた涙が落ちる。
それを手の項で拭うあたしに、
「泣くなよ」
諒ちゃんの小さな声が耳に届いた。