永遠の絆
「ねぇ、ちょっと!」
美術館を出て駅に向かって歩いてる途中、あたしの背後から走ってきた男はあたしの肩に触れる。
思わず視線を向けると2人の男を視界に捕えた。
「ねぇ、アンタ一人だろ?俺達に付き合ってよ」
黙るあたしに男は明るく口を開く。
うざっ!!心の中でそう叫びあたしは止まる事なく足を進めた。
だけど――…
「つーか無視?綺麗な顔してんのに無視とかありえねぇよ?」
「どーせ暇なんだろ?」
あたしの両サイドからダラダラと声を掛けてくる男が目障りであたしは顔を顰める。
「なぁ、聞いてんのかよ!」
無視し続けるあたしに男はちょっと苛立った声を出し、それと同時に掴まれた肩に視線を落としあたしは足を止めた。
「つーか、そう言うの面倒なんだよ。…ダルイ」
見上げた男を睨みつけあたしは、吐き捨てた。と、同時に男達の顔が一気に変わっていく。
「あ?折角誘ってやってんのに」
「別に頼んでないから」
「何だコイツ。可愛くねぇ…」
小さく舌打ちした男達はあたしを睨み付けた後、姿を消して行く。
男達が居なくなった後、小さく息を吐き捨て、足を進ませようとした時、思わず視界に捕えたものにあたしの足は佇んだ。
「あ…、」
最悪。
思わず視線を落とし髪を無造作に掻き上げるあたし。手を止めてゆっくり視線を上げるその先に、口角を上げて微笑んでいる翔が目に入った。
さっきの所を見られたなんて、ほんとにあり得ない。まさかこんな所に居るなんて思わない。
なんか…
最悪すぎて言葉がない。