永遠の絆

「相変わらずだな、みぃちゃん」


そう言って端の方に車を停めてる翔は運転席の窓から顔を出しクスクスと笑う。


「…何、してんの?」

「ん?何ってドライブ」

「は?ドライブ?」

「そうそう、みぃちゃん探しのドライブ」

「何で?」

「何でって、帰って来ねぇし携帯繋がんねぇし」

「あぁ…」


携帯なんて見てないや。ってか気付きもしなかった。


「乗れば?」


翔は助手席に指差す。


「あ、うん…。よく分かったね」


そう言いながらあたしは足を進め助手席に座る。


「まぁな。俺の勘すげぇだろ?」


笑う翔を見て思わずあたしも微笑んだ。


「何が勘だよ」

「丁度見つけて声掛けようとしたら、みぃちゃん絡まれてんだもん。助けよっかなって思ったけど見てた」

「ってか居るなら助けてよ」

「いや、つーか助ける前にみぃちゃん自分で何とかするって思ってたし」

「いやいや、そうじゃなくて…。ま、もういいけど」

「そりゃあ、みぃちゃんが危険な目にあってたら俺だって助けるよ」


“いつでも何処でも”

そう付け加えられた言葉に一瞬胸がギュってなったのは気の所為だろうか。いつでも何処でも。その言葉の意味なんて分かんなかったけど、あたしは敢えて聞こうとはしなかった。


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