永遠の絆

「みぃちゃんのお母さんから受け取った」

「は?もっと意味分かんないんだけど」


思わず顔を顰めるあたしに翔は少し表情を崩す。

混乱するあたしは翔を見る事しか出来なくて、


「…ママに会ったの?」


続けて口から出た声はあまりにも小さかった。


「あぁ」

「え、ちょ…な、何で?訳分かんない」


未だに状況を把握できないあたしに対して翔は平然とし、ポケットから出したタバコに火を点ける。

フーっと吐いた煙が空へと舞い上がった時、


「アイツどうなってんのか分かんねぇって、諒也が言ってきたから」


そう言ってきた途端、あたしは翔から視線を逸らしてた。

ただただ波に打たれていく海をずっと見つめてて、今の自分の気持ちを落ち着かせようと必死で言うべき言葉を探してた。

だけど、口から出てくる言葉は何もなくて、あたしはずっと目の前の広がる海を見つめてた。


「…だからみぃちゃんのお母さんに会ってさ、通帳受け取った」

「……」

「みぃちゃんのお母さん優しいな。初めて会ったのに俺に優しく接してくれたし」

「……」

「…心配してた。みぃちゃんの事」


ゆっくりと視線を落とし、膝に置いてある通帳を眺めてそっと手に取る。

手に取って何気なく開いた通帳の金額に思わずあたしは目を見開いた。








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