永遠の絆

「…待ってるから」


暫く経ってから続けられた言葉に胸が苦しくなる。


「待ってるって…そう簡単に帰って来れない」

「いいよ」

「3年…ううん。5年は帰って来ない」


…と思う。


「それでも待ってる」

「待ってるって、あたしはそれを簡単な事だとは思わない。5年だよ?5年って月日は人の気持ちを変えちゃうんだよ?」


5日じゃない。5週間でもなければ5カ月でもない。

人の要素が変わってくくらいの長い5年。そんな歳月の間、必ず人は心変わりをする。


だって人間ってそんなもんじゃん。


「俺は変わんねぇよ」

「あたしが変わってるかも…」

「だったらもう一度、みぃちゃんを奪いに行くから」


そう言って翔は口角を上げてタバコを咥えた。

翔はそう言って微笑んだけれど、あたしには笑う事も出来なかった。


やっぱ、離れる事が嫌って言う自分が心の何処かに居たから…



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