永遠の絆
「…ん…、」
声を途切れさせ眠そうな声を出す翔はソファーの上で窮屈そうに寝がえりをうつ。
「ねぇ、翔?起きてよ?」
さっきよりも強く身体を揺するあたしに翔は仰向けになり閉じていた目を薄らと開けた。
「…どした?」
「どうしたじゃないよ!もう夜だよ?行かないの?」
別にそう問いただしたのは行ってほしいからとかじゃなかった。ただ、いつもいない翔が居る事に違和感ってものがあり…またあたしの所為なんかじゃないかと思った。
「あー…今日休み」
未だ眠そうに呟く翔は目を擦りながら欠伸をする。
「えっ、休み?ってか休みなんてあんの?」
「それくらいあるっつーの。俺も休まないと身体もたねぇよ」
「へぇー…で、でも今までずっといなかったじゃん」
「みぃちゃんが知らねぇだけだろ?ほぼ寝てたし」
「えっ、あ、そっか…」
確かにあたしは夜の仕事に行く翔を避け、その時間は会わないようにと避けていた。
その寝る時間に癖がつき、次第に当たり前のようにその時間に寝てしまっていた。
何もかも、忘れるようにと…
「つか、風呂入ってくる。…みぃちゃん入った?」
そう言いながら翔は身体を起し伸びをする。
「ううん。まだ」
「じゃあ、先入んなよ。俺、後でいいから」
「あ、うん…」
翔に言われた通り、着替えを持って脱衣所に入った時、閉めたドアがまた開き、あたしは視線を背後へと向ける。