永遠の絆

「何が?」

「色々と。お金…翔から借りたお金まだいっぱい残ってるし。なんか返すよって言っときながら返せないって言うか、もう返していく自信がない」

「……」

「今まで働く事が必死で頑張ってきたけど何かもう…それさえも疲れたって感じで」


言葉と自然に伝っていく涙が混じってた。

自分の空間に絶対、人はいれないって今までずっとそう思って生きてきた。なのにその中に突然入ってきた翔は邪魔で邪魔で仕方がなかった。


初めはずっとそう思ってた。


でも…いつしか心ん中は翔で埋め尽くされて翔ばかり考える日もあって、そんな自分が自分じゃない様に思えておかしくなりそうだった。


今でさえ翔の隣に居るあたしが場違いなんじゃないかって時々そう思う。


言っちゃいけないんだけど気づけばあたしは翔に隠してた本心を話してた。


助けてほしい。そう思ったのは何回くらいだろう…


「返さなくていいって言ったろ?俺は返してほしいなんて一言も言ってねぇし、みぃちゃんがそう思ってる気持ちだけで十分。俺が勝手にやってる事だし、それを素直にみぃちゃんは受け取ればいい。…な?」


そっと頭に触れた翔の手が上下に行き来する。その翔の手の温もりでまた新たに涙が伝ってた。


「ごめ…」


悔しかった。自分自身に悔しかった。

何も出来ない自分が悔しくて、なんでこんな生き方しか出来ないんだろって過去の自分を思い出すたびに悔しくて仕方がなかった。

思い出す度に出てくる涙が嫌で嫌で仕方がなかった。


伝う涙をそっと拭うと同時に翔の腕があたしのお腹へと回る。背後から優しく抱きしめられるその感覚に自然と心が和らいだ気がした。

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