永遠の絆
「待ってる。みぃちゃんが帰って来るまで待ってっから」
“だから行って来い”
付け加えられた言葉に感情が大きく揺れた瞬間だった。
留学と翔…どっちとる?って聞かれても答える事なんて今はまだ分からなかった。
だけどふと思った。
これが逆ならどうしてるだろうって。もし翔が行く立場だったらどうしてんだろって。だけど、その答えは簡単に決まってた。
もし逆なら、あたしは翔に行っていいよってそう言うと思う。
きっと、多分。
だって念願の夢を壊したくない。離れるのは辛いけど、でもやっぱしそう言うと思う。
着いて来てって言われたら、あたしはきっと着いて行かないと思う。薄情とかそう言うんじゃなくて待ってていたいから。待ってる自身はあるから。
だからそう考えると翔の答えと一緒に…なる。
「…忘れないでね。あたしの事」
「忘れる訳ねぇじゃん」
「もし誰かと付き合ってたら言ってね。隠されると辛いもんがあるから」
「誰とも付き合わねぇって」
「分かんないよ。心変わりってもんがあるから」
「だから言ったろ?心変わりはしねぇって。もし、みぃちゃんが俺の事忘れてたら奪いに行くからって言ったろ」
そう言って翔は薄ら笑いあたしの身体を自分の方へと引き寄せ反対側の手であたしの頭を撫ぜる。
ゆっくりと身体を翔の方へと向けると、「ん?」と言って翔は首を傾げた。