永遠の絆
「…怖い?」
「え?」
何だか寂しそうに聞いてくる翔にあたしは全ての涙を拭い顔を上げる。
翔は胡坐を掻いたまま俯いてて、
「抱かれんの、怖いか?」
ゆっくりとあたしに視線を送った。
「ううん…怖くは、ない。ただ、何て言うかその…引かれんのとか嫌だし」
「は?何が?」
「うーん…」
「いや、引かねぇから。つか、そうって決まった訳でもねぇだろ?」
「…だと思いたいけど、そうじゃないんだ」
そうじゃない。ホントに何も感じないんだよ、あたし。
「じゃあ、試す?優しくするから」
そう言った翔はあたしの後頭部に手を添え顔を近づける。近づいてすぐ重なり合った唇にあたしは自然と目を閉じた。
″優しくするから″そんな初めて言われた言葉にまた目に涙が溜まる。
優しく何度も重ね合わしてくる唇が自棄に温かい。
暫く経ってゆっくりと離れていく唇に、あたしは閉じていた目を薄ら開ける。
「…嫌?嫌なら言って。やめるから。無理に抱きたくない」
小さく聞かれたその言葉に首を振った。
「嫌じゃ…ない。翔が嫌じゃなければ」
「俺は嫌じゃねぇよ。美咲が好きだから抱きたい」
「あたしも翔が好き…」
だから抱かれたい。
薄ら口角を上げた翔はゆっくりとあたしの身体を倒す。
真上に乗っかった翔はあたしの唇と自分の唇を重ね合わせ、反対の手で胸に触れた。