永遠の絆

何でだろう。そう自分に問い掛ける。

触れあった唇も触られた感触も愛撫される事も何も気持ちいいとは思えない。

怖いから？

ううん。それは違う。あたしを今抱いているのは翔なのに…

なのに昔の感覚に戻ってしまう。

ただ、あたしは売ってる時と同じで、その場に寝てるだけで…


「…みぃちゃん？」


不意に聞こえた声に閉じていた目を開けると翔は、真上であたしを見下ろしていて、


「目開けて俺を見てろよ。余計な事なんも考えんなって」


そう言ってキスを交わし翔はあたしの身体を愛撫していく。

惹かれた事が全ての始まりだった。全く興味すらなかった異性って言う存在を、ここまで好きで好きで好きになってた自分がある意味恐かった。

整ったこの綺麗な顔を…翔と言う存在をあたしは好きになってた。


「あっ…」


自分にでも分かった。無意識に喉から出た声がすぐに分かった。

そんなあたしを翔は優しく抱いていく。

次第に漏れてくる声が自分じゃないような感覚になった。


「美咲…」


耳元で囁かれる声も翔の温もりも一つになった全てが愛しいと思った。

そう思う素直な気持ちと過去にある皮肉さが涙となって変わってた。