永遠の絆
「みぃちゃん、今日諒也の病院に行ける?」
土日を挟んで週明けの月曜日、久しぶりに学校に行こうと思って制服に着替えてるあたしに翔は突然言ってきた。
「え?…何で?」
「渡してほしいもんがあるから。俺、行く時間ねぇし」
「あー…じゃあ今から行くわ」
「は?何で今から?帰ってから行けよ」
「だってバイト行くもん」
着替えたあたしは今まで放置していたスクール鞄に、化粧ポーチと携帯を突っ込む。
「は?…バイト?」
急に大きな声を出した翔にあたしは一瞬、顔を顰めた。
「うん」
「何で?」
「何でって今までサボってたから。みんなに迷惑かけちゃう」
「つか、行く必要なくね?もう頑張んなくてもいいだろ」
「いや、そうじゃなくて身体鈍ってるから。散々サボっちゃったし」
苦笑いするあたしに翔は呆れたため息を吐き捨てた。
一人で居たら何か落ち着かなくて、やっぱし身体を動かしてるほうがいい。
お金も必要だけど、結局は翔に全て甘えてて、それが何だか申し訳なく感じる。一人でボーっとしてる時間があればそれを有効に使いたい。
ただ、それだけ。
「なにそれ。バイトじゃなくて諒也の話相手でもしとけよ。どーせアイツ暇してんだからよ」
「はぁ!?余計に嫌だよ。何であたしが諒ちゃんの話相手なんかしなくちゃいけないんだよ。だからそんな暇があったらバイトしてるほうがいいの」
「あー…はいはい」
翔はイマイチあたしがバイトをする事を望んでないのか納得できない表情を浮かべた。