永遠の絆
「待てよ、美咲」
「何してんの?女なんか口説いて」
近づいてきた諒ちゃんに振り返り、あたしは無愛想にそう問い掛ける。
「口説いてねぇし。つか、あの女がよ、何かしんねぇけど最近よく話し掛けてくんだわ」
「へぇー、良かったね」
病室まで着くとあたしはため息とともに鞄をベッドに置く。
「良くねぇよ。だから丁度お前が来て助かったわ」
安堵のため息をつく諒ちゃんはベッドに腰を下ろす。そんな諒ちゃんに思わずまた、ため息が漏れた。
「暇だからって手出すのとかやめなよ。葵が悲しむよ」
「手なんか出さねぇし、ヤんねぇし」
「さぁ、どうだか…」
「どうだかじゃねぇよ!で、お前は何しに来た?」
「あぁ。…はいこれ、翔から」
黒い紙袋をあたしは諒ちゃんに差し出す。諒ちゃんは何気なく受け取って中を覗き込んで声を上げた。
「うぉっ!すげぇ、5カートンも入ってっし。つか、俺1カートン分の金しか渡してねぇのにな。いいのかよ」
「さぁ、いいんじゃない?」
タバコ如に喜ぶ諒ちゃんが分かんない。
「あんま吸わないほうがいいよ」
「え、何で?」
「身体に悪いから」
「つか、お前お袋みたいな事言うなよ」
「えっ、諒ちゃんのママってこう言う事言うの?」
「いや、言わねぇ。言う訳ねぇじゃん。アイツも吸ってんだし」
何だよ!って一瞬、思ったけど、よく考えて見れば諒ちゃんのママもヘビーだったりする。