永遠の絆

「ねぇ、いつまで入院?」

「さぁ、分かんね。俺としてはもう退院できんだけどな」

「いやいや、まだでしょ」


そう言った時だった。

病室のドアが勢いよく開き――…


「おーい、諒也いるかぁ?」


誰かの声が病室に響き渡った。誰だろ…ってそう思った時、半分閉まっているカーテンから顔をだしたのは一度見た事のある顔。

誰だっけ?


「おぉ、真面目に居るじゃねぇかよ。つか、しかも女連れ。おいおい、お前こんな所でヤんなよな」


そう言って諒ちゃんのツレはケラケラと笑う。


「つか、ヤらねぇし。お前と違って」

「けど病室も萌えるんじゃね?」

「萌えねぇし」

「そんな事分かんねぇよな?」


ニコっと笑ってあたしに問い掛ける。ってか、問い掛けられても困るし。

でも、誰だっけ?この、遊び人そうな顔。


…――思い出せない。


「…つか、あれ?」


そう言ってあたしの顔を覗き込む男に思わず身を後ろに引く。


「…何ですか?」


ぎこちなく聞くあたしに、


「あぁっ!」


諒ちゃんのツレは大声を上げた。


「うっせぇな、お前は」


諒ちゃんは眉間に皺を寄せてツレを睨み付ける。


「やっぱそーじゃん。そーじゃん!何か見た事あんなーって思ったら、やっぱ美咲ちゃんじゃん」


そう言った男はパァっと表情を明るくした。

どうやら、この人はあたしを知っているみたい。でも、だけど、思い出せなくて、


「だ、誰ですか?」


あたしは戸惑いながら尋ねた。

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