永遠の絆
「えー!マジで俺の事知らねぇの?俺、美咲ちゃんに振られたんだけど」
そう言われてハッとした。
この軽いノリ。
遊び人っぽい風貌。
「あ…田口先輩でしたっけ?」
「でしたっけ?って何それ。俺は哀しいよ。で、ところで美咲ちゃん今はフリー?相変わらず美人だねぇ」
「口悪りぃけどな」
田口先輩の言葉に割り込んで入ってくる諒ちゃんはクスクス笑う。そんな諒ちゃんをあたしは睨んだ。
「いやいや。けどよ、俺そういうの好きだわ。クールな女に犯されてみたい」
「つかお前Mじゃねぇだろ」
「MになったりSになったりかな」
「お前の場合はドSになったりだろうが」
そう言って諒ちゃんはケラケラと笑う。ってか、話の内容が凄くズレている気がする。
馬鹿に騒ぐ2人を尻目で見ながらあたしは深くため息をついた。
「あ、それで美咲ちゃん今はどうなの?俺と付き合う?」
「いや、遠慮しときます」
丁寧にお断りをしたあたしに諒ちゃんは、
「だってコイツ翔さんのものだし」
そう言って田口先輩を見た。