永遠の絆
「みぃちゃんはあまり良くねぇって思ってるかもしんないけど俺の中での辞める踏ん切りってもんが今はついてなくて…」
「……」
「不安にさせる事、あまり一緒に居れない事、沢山あるかもしんねぇけど…もう少し、もう少しだけこの状態を保ちたい」
静かに吐き出された言葉。
翔の言い分は分かる。と、言うか分かってあげないといけない様な気がする。あたしがどうこう言う筋合いなんて何もない。
翔が決めた事。翔がやるべき事を決めた事。例え、あたしが嫌であってもそれを受け答えないといけない気がした。
あたしだって翔と離れて留学するって決めたんだから。それを翔も望んでくれたんだから…
「ごめんな…」
小さく呟かれた言葉にあたしは首を左右に振る。
閉じていた目を開けて翔を見ると、悲しそうな顔であたしを見てた。あたしがそう言う表情にさせてんのかと思うと何だか苦しくなる。
今まで翔に甘えてきていくらお金を出してもらってきたのかも分かんない。
翔が居るからこそ、あたしは居るんだと実感させられる。翔が居なかったらあたしはきっと、あの頃の自分のままだったと、思う。
そうじゃなきゃ…きっと、あたしと言う存在は生きていない。
「謝らなくていい。翔の事はちゃんと受け止めてるから」
「ごめん…」
「だから謝んなくていいよ」
そう言って俯いている翔の傍まで行き、あたしは翔の顔を覗き込む。表情を崩したまま深い息を吐き捨てた翔はあたしに気づき視線を少し上げる。
「踏ん切りつくまでもう少しだけ…」
膝を付いて座りこむあたしの身体を引き寄せた翔はあたしの肩に顔を埋める。