永遠の絆

「分かってる…」


そう呟いたあたしは受け答えるかの様に翔の背中に腕を回し抱きしめた。


ホストの世界なんて全く分かんないし理解もできないけどNO1と言う肩書きを背負ってる以上、辞める踏ん切りがつかない事くらい分かるような気がした。

そりゃあ、女にチヤホヤしてチヤホヤされてるんだと思うと当たり前に誰だってしっくりこないと思う。

もしかしたらあたしの他に女が居るかも知れないとか、あたしはただの遊びかも知んないとか思う事は沢山ある。

でもそれを踏まえた上で受け答えないといけない部分もあると思う。


好きだから受け入れなければいけない。でも、好きだから受け入れたくない事もある。

あまりの矛盾さにどうしたらいいのかも分かんない。恋愛経験がない所為か、その変の事がよく分かんない。


「…みぃちゃん?」


不意に聞こえた翔の声に、あたしは抱き締めていた腕の力を少し弱める。


「うん?」


聞き返す言葉はとても小さく聞き取りにくいくらいだった。

でもその小さな声を聞き取った翔は、


「何もしてやれなくてゴメンな」


申し訳なさそうに言葉を吐き出した翔の口からため息が漏れた。

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