永遠の絆
新たなる道
新しく年を迎えた1月。
ママが退院してからあたしは家と翔のマンションを行き来してた。
諒ちゃんも12月半ばに退院して何もなく平凡な日々を送ってた。
そんなふとした時だった。
「…美咲、ちょっといいか?」
授業を終え、教室から出ようとした瞬間、扉の目の前に居た諒ちゃんはあたしを見てすぐに声を掛ける。
「え、何?」
「ちょっと…」
曖昧に呟いて足を進めて行く諒ちゃんに思わず顔を顰める。
諒ちゃんは進めていた足を一旦止めて振り返り、早く来いよ。と、言わんばかりに視線を送りつけてくる。
そんな諒ちゃんをジッと見つめていたあたしは、仕方なくため息を吐き捨て後を追った。
着いた場所は諒ちゃんの教室で、諒ちゃんは自分の席に着いたかと思うと椅子に腰を下ろし机の中から封筒を取り出す。
真っ白な封筒。資料でも入ってるかのような白いおっきな封筒。
その封筒から徐々に諒ちゃんへと目線を送り、
「…何?」
恐る恐る声を出す。
「見れば分かる」
そう言った諒ちゃんは封筒をあたしに手渡す事をなく顎で封筒を指す。
どうしてもあたしに見せたい封筒なのか、諒ちゃんはあたしをじっと身構えた。