永遠の絆

机に置かれている封筒に恐る恐る手を伸ばしたあたしは、それに触れる。

掴んだ封筒は思ってたより分厚く、中に何が入ってるかなんて想像もつかなかった。


ジッとあたしを身構える諒ちゃん。その視線を気にしながらも、あたしはゆっくりと封筒の中を覗き込んだ。

ぎっしりと詰め込んである資料。と、言うよりも数枚のコピー用紙とパンフレット。

そのコピー用紙とパンフレットを掴み、あたしはそれを封筒から引っ張り出した。と、同時にあたしの目が見開いたのがすぐに自分にでも分かった。


「これって…」


そう呟くあたしに諒ちゃんは何も言わない。

諒ちゃんからもう一度、視線をコピー用紙に移すと、それはあたしが今まさに迷ってる留学に関する物だった。


見るからには留学に関する学校のパンフレットと、出国手続き用紙、留学用紙。全て留学に関する資料だった。


「そこがいいってよ」


暫く唖然と見つめていると諒ちゃんが、ふと呟いた。


「え?」


どうして渡してきたのか混乱しているあたしは、諒ちゃんに視線を送る。


「だからそこの学校がいいってさ」

「だ、誰が?」

「田口が」

「は?」


思わずビックリする名前が飛んできたからあたしは目をさっきよりも見開き諒ちゃんを身構えた。

なんでどうして田口先輩の名前が出てきたのか謎で仕方がない。

あたしの事に関してどうして田口先輩が出てくるのか。と、言うよりも何故、諒ちゃんがこんな物をあたしに差し出してくるのかがいまいち分からなかった。

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