永遠の絆

「うん?」


首を傾げながら翔を見つめると、翔は持っていた小さなバックから何かを取り出す。


…何だろう。


そう思ってる時だった。

目の前に置かれる真っ白な長細い箱。その真っ白の箱に飛び込んでくるように巻かれた真っ赤なリボン。


「みぃちゃんに…」


そう言った翔に視線を向けると、翔は薄っすら微笑んであたしを見た。


「何、これ?」

「見れば分かる」


そう言った翔から視線を逸らし箱に手を伸ばす。

ゆっくりと真っ赤なリボンを解いてパカっと蓋を開けると、これ以上にってないくらいキラキラと輝いているダイヤのネックレスが入っていた。

思わず息が止まってしまう。

見るだけで分かる。

絶対に高いよこれ…


「何で…」

「受け取って」


そう言った翔にあたしは咄嗟に首を振ってしまった。


「受け取れないよ」


これがあたしの本心だった。


「何で?」

「何でって、こんな高そうなやつ受け取れない」

「全然、高くねぇから」

「いや、あたしと翔は金銭感覚違うから」


だって、全然価値観違うじゃん。

それになんであたしなんだろうって、今でも思うのに。
< 555 / 595 >

この作品をシェア

pagetop