永遠の絆
「いやいや、一緒だから」
「一緒じゃないよ。つか、あたし貰う筋合いとかないもん」
「俺も拒否られる筋合いねぇもん」
そう言って翔は口角を上げる。
「でも…」
「俺、みぃちゃんに何もあげてねぇじゃん?だから、みぃちゃんの手元に何か残したいだけ。だから受け取って。こんなのしか出来ねぇけど」
「…あたしさ、」
そこまでだった。店員さんがデザートを持ってきてくれて、あたしの口が一瞬にして告ぐんだ。
目の前に置かれるのはシャーベット。
オレンジとリンゴの香りが漂うシャーベットに金箔が降りかけてあって、その横に可愛らしい小さな花が添えられている。
可愛い…
「何?」
デザートに気を取られて言葉が止まったあたしに翔は問いかけてくる。
その言葉であたしはデザートから手に持っているネックレスに視線を切り替え軽く一息を吐いた。
「…あたしさ。…あたし、今の生活のままで十分だよ?前にも言ったけど、あたし翔に分からないくらい助けてもらってる。何もしてないのは、あたしだから」
そう。何もしてないのは、あたし。
何も翔に出来てないのは、このあたしだ。
なのに。