永遠の絆

「何?」


翔の腕が背中から頭に移動し、あたしの頭をゆっくりと撫でる。


「うん…」

「何?どした?」


あたしの顔を覗き込もうとする翔に、あたしはその翔の顔を見ない様にと翔の胸に顔を押し付けた。

ドクドクと聞こえてくる翔の心拍が自棄に耳に染み付く。

グッと息を飲み込んで、あたしは再度、声を絞り出す。


「あたし…、行くって言ったでしょ?」

「あぁ」

「5年なの」

「うん」

「考えてみれば5年って長いよね…」


そう言ってあたしは軽く息を吐いた。


「そっかな?俺にするとあっと言う間だけどな」

「あっと言う間なんかじゃないよ」

「過ぎれば早いっしょ」

「過ぎる途中が長いの」

「でも、会えるって思ってたら俺は待てるよ?会いたいって言ったらいつでも会いに行くし」

「そんなの言わない」

「だろーな」


翔は何故か分かりきった様にクスクスと笑みを零す。

だって、もし会ってしまったら絶対に今度別れるのが寂しいもん。

別れるのは、


もう、



1度きりでいい。
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