永遠の絆

「でも…決めた事だから頑張るよ」

「あぁ」


“待ってる”

付け加えられた言葉とともに、あたしの唇に翔の唇が落ちてきた。

重なりあった唇から熱が発するくらいに身体が熱くなり、覆いかぶさる翔の首に自分の両腕を回し抱きしめる。


「美咲、好きだよ」

「あたしも好き」


心の中で何回“好きだよ”って叫んだのかも分からないくらいだった。

翔はあたしを抱くときはいつも呼び捨てにする。

そう呼ばれるだけで、いつもより胸が自棄にドキドキしてた。


「気持ちいい?」


甘い2人の吐息の中に翔の言葉が落ちる。


「うん」

「俺も」


重なり合う唇から熱が込み上げる。

少しずつ入って来る翔の舌にあたしの舌も絡まり合う。

幸せで意識が飛びそうなその感覚にあたしは翔の首に両腕を回した。


このまま時間が止まればいいって、そう思ってしまった。


人生なんて、つまんなくてつまんなくて自分を削る事しか出来なかったのに、たった一人の翔と言う男に出会いあたしの人生が大きく変わった。




傍にいる事も

繋ぐ温もりも

触れる体温も


全て


幸せだと思える

瞬間だった。



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