永遠の絆
月日が経つのってホント早い。
あたしが持ったちっぽけな夢が今では大きくなって、それがもう出発する寸前まできてる。
ここまでくるのにホントに色んな事があったけど、でも今は幸せ半分、寂しさ半分ってところ。
「お前、何してんの?」
机にちらばった物をボンヤリと見ていたら、どこからかの聞きなれた声にあたしは視線を向ける。
向けた先は教室の入り口で、そこにはドアに手を付いた諒ちゃんがあたしを見てた。
「つか、諒ちゃんこそ何してんの?」
そう言ったあたしに諒ちゃんは足を進め、あたしの前の席に腰を下ろす。
「俺は補習」
諒ちゃんはあたしの机に視線を落としそう呟く。
「あぁ、そっか。卒業できそう?」
「なんとか」
「良かったじゃん」
「まぁな。で、お前は何で来てんの?」
諒ちゃんは1枚の紙を掴み目を通す。
「これ受け取りに」
「ふーん。で、いつ出発すんの?」
「3月の終わりかな…」
「そっか。頑張れよ」
「うん。あのさ、」
そこまで言ってあたしは言葉を紡ぐ。
諒ちゃんとは考えてみれば喧嘩しまくった。出会った頃はホントどーしようもない奴で困った男だった。
でも、今は感謝したい。