永遠の絆
「とりあえず葵はトイレに行きな」
駅に戻ってすぐ、あたしは葵の鞄を受け取ると同時に薄茶色の紙袋を葵に渡す。
「…うん」
戸惑いながら葵は頷きトイレへと向かって足を進めて行く。
小さくなっていく葵の背中に思わずため息が出てしまった。
待っている間も自分の事のようにあたしの心ん中も焦りだす。もし、葵が妊娠してたらって思うと…、
親に当たり前に言える訳がない、葵の親に…。
って事は残っている選択って一つしかなくて…
“中絶”
あたしの頭の中を嫌な選択で支配し始める。