永遠の絆
「…2本」
くっきりと2本線が入っていた。
あたしの背中に嫌な汗が流れる。目の前の葵は唇を噛み締めたまま俯いている。
「これ…、捨ててもいい?」
コクンと頷く葵を確認してから、あたしはトイレまで行きゴミ箱に捨てた。
とりあえず人気の少ない所に葵を連れて行き、あたしは重い口を開いた。
「どーすんの?葵はどーしたいと思ってる?」
「…分かんない」
「分かんないじゃないじゃん。自分の事でしょ!?」
つい焦った所為で声を上げてしまったあたしに葵は黙って更に俯く。
あたしが言いたいのは、そうじゃなくて…、
「ごめん…。雅樹には妊娠っぽい事言ってるの?」
「ううん…」
「だったらちゃんと言わなきゃ」
黙りこくる葵に、「葵?」と軽く肩に触れ覗き込む。
「言えない…」