永遠の絆

顔は確かに整っている。だけど、どう見てもいいような男だとは思わない。

あたしが出てきた所はホテル街だ。


そして、この先を歩いて行けば別のネオン街に続く。


そのネオン街は夜の街だ。


こんな所にいるのだから、この男もきっと適当な男なんだろう。

男を睨み付けたまま、そんな事を思っていると男は話を続けた。


「ねぇ、アンタこんな所でいつも何やってんの?」


ほらね。

この男は“いつも”って言った。

って事は、この男もいつもここら辺にいるって事になる。


「…別に」


素っ気なく返すあたしに、「まぁ、いいや。着いて来い」と、あたしの腕をいきなり掴んで歩き出した。



「ちょっ、何すんだよ!」


滅多に出さない大声を出した所為で、一瞬頭がフラついた。

そんなあたしの事など無視して、男は足を進ませて行く。


その方向は、さっきあたしが抜けてきた場所でもあるホテル街だ。

何を考えてんのか分からないこの男はホテル街の中でも1番綺麗と言ったらいいんだろうか。


壁の色がピンクに塗られてて見るからに高級ホテルの前で足を止めた。

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