永遠の絆
暫くすると前方に人影が見え、辺りをキョロキョロとしているのが葵だと分かり、あたしはすぐに車から降りて葵の側まで駆け寄った。
「葵…、ごめんね」
葵は軽く首を振りあたしを通り過ぎて遠くを見つめる。
「…誰?」
葵はポツンと呟いてからゆっくりあたしに視線を移し、あたしを見つめた後、また視線をあたしの後ろに移す。
その葵の行動にあたしもゆっくりと振り返ると、少し離れた所に停めてある車――…
相変わらず目が眩みそうな黒光りの車が飛び込みフラっとした。
外が暗い所為でもあり、中に乗っている翔の顔はここからじゃ見えない。
「あー…、うん。知り合い」
「知り合い?」
適当に交わした言葉に葵は首を傾げて不安そうな顔をする。