永遠の絆
「うん。全然、大丈夫だから」
何が大丈夫なのか分かんないけど、あたしは葵にそう言った。
未だに不安を隠せない葵の表情を見て、あたしはこの話題から避けるように話を切り替えた。
「それよか、体調どう?大丈夫?」
葵はさっきよりも不安な顔をし、地面に視線を落とし軽くお腹を擦った。
「うん…」
それ以上、何も言わない葵。
生暖かい風があたし達を包み込む中、張り詰めた緊張感と沈黙が続く。
ただ、葵はお腹に手を当てて、ただジッと地面を見つめている。
病院に行かないとまだ分かんないじゃん。…なんて言葉はあたしには言えなかった。
今の検査薬は陽性が出ると100%近くは妊娠しているらしい。
だから勘違いだよ…、なんて言葉は絶対に言えなかった。
言った時点で、そんなの気休めにもなんもならないし、余計に葵を傷つけそうで怖い。