永遠の絆
そんな重苦しい空間の中、あたしはゆっくりと口を開いた。
「あ、あのさ…、今日マサキ見た―――…」
「言ったの?」
葵はあたしの言葉を素早く遮って、勢い良く口を開いて顔を上げた。
「いや、言ってないよ」
「お願いだから言わないで!!」
一瞬、葵の声にビクっとした。
さっとは打って変わって違う張り叫ぶ声に心臓がドクンとする。
「葵…、雅樹さ――…」
「言わないで!!美咲の言いたい事くらい分かってるよ。どーせ女と居たんでしょ?だから美咲こんな所まで来たんでしょ?知ってたよ、雅樹に他の女が居るって事くらい知ってたよ!!」
乾いた空気の中、勢い良く飛び掛ってくる葵の声と潤ませる瞳。
葵はあたしの言いたかった事を全て自分から言ってきた…
やっぱ知ってたんだ…
じゃあ、どうして?
どうして―――…
どうしてなの?