永遠の絆
潤んだ瞳で唇を噛み締めたまま、葵はあたしをジッと見つめる。
「じゃあ…、何で付き合ってんの?」
あたしの口からは思ってもみないほど最低な言葉がポロッと出ていた。
目が合った瞬間、葵の眉がグッと中央に寄る。
「…じゃん。好きだからに決まってんじゃん!!」
だんだん張り上げていく声が、あたしの耳にジン…と叩きつけるように入ってきた。
…好きだからに決まってんじゃん…
その言葉があたしの耳に焼きつく。
「だったら尚更、雅樹に言わないと…」
「言ったって無駄だよ。雅樹は何も思わない。言ったからって何かが変わるって訳じゃない。雅樹はそう言う人だよ…、あたしが一番よく分かってる。でも…、それでもあたしは雅樹が好きだったから…」
葵は俯いてお腹に当てている手で、ギュっと淡いピンクのワンピースを握り締めた。