永遠の絆

親にも言えない…、雅樹にも言えない。だからこそあたしを頼って言ってきてるのに、あたしは何も葵には言えなかった。


少しの間、沈黙が続きあたしの口から出た言葉は、あまりにも悲惨な言葉だった。


「…お金は貸すから」

「いらない」


キッパリと言われた言葉にあたしは思わず顔を上げた。

お嬢様だからと言って、そう簡単に10万円以上の金を親から借りれる訳がない。


以前、葵は言っていた。


【バイトしたいけど親うるさいんだ…。夜遅くなるからって…、だからあたしの貯金なんてゼロ。親が金持ちなだけであって、あたしはただの貧乏人なのに…。ホントもう嫌になるよ】


いつか忘れたけれど葵はそう言っていた。




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