ACO
辺りを見渡すと朝の悲しみに満ちた重い空気は、
どこにもなかった。
いつもの放課後だった。
同級生が一人亡くなった事が、
現実じゃなくて夢だったんじゃないかって思えた。
それくらい、
日常に戻っていた。
「ね〜、
カラオケ行こうよ。
最近、
彼氏がウザくってさ〜。
ストレス溜まりまくり〜。」
「マジで。
付き合うよ〜。
新曲はいってっかな〜。」
あんなにあたしをなじった彼女が、
友達と笑いながら帰って行く。
彼女の涙って何なんだろう。
悲しみってそんなに呆気ないものなのだろうか……。
あたしは空をみた。
『香織』ちゃん……。
ごめんね。
あたし、
あなたが死んだって聞いても泣けなかった。
いろいろ考えたけど、
悲しいって思えなかった。
それはあたしが、
おかしいからかもしれない。
でも……、
みんな泣いてたよ。
あの時間……、
あの瞬間の涙や悲しみは、
きっとみんな……、
本物だった。
そう信じたいね。
そうじゃなきゃ、
悲しいね。
淋しいね。
『香織』ちゃん……、
安らかに……。
あたし、
そう思ったんだ。
どこにもなかった。
いつもの放課後だった。
同級生が一人亡くなった事が、
現実じゃなくて夢だったんじゃないかって思えた。
それくらい、
日常に戻っていた。
「ね〜、
カラオケ行こうよ。
最近、
彼氏がウザくってさ〜。
ストレス溜まりまくり〜。」
「マジで。
付き合うよ〜。
新曲はいってっかな〜。」
あんなにあたしをなじった彼女が、
友達と笑いながら帰って行く。
彼女の涙って何なんだろう。
悲しみってそんなに呆気ないものなのだろうか……。
あたしは空をみた。
『香織』ちゃん……。
ごめんね。
あたし、
あなたが死んだって聞いても泣けなかった。
いろいろ考えたけど、
悲しいって思えなかった。
それはあたしが、
おかしいからかもしれない。
でも……、
みんな泣いてたよ。
あの時間……、
あの瞬間の涙や悲しみは、
きっとみんな……、
本物だった。
そう信じたいね。
そうじゃなきゃ、
悲しいね。
淋しいね。
『香織』ちゃん……、
安らかに……。
あたし、
そう思ったんだ。