封印せし記憶
登校
それから4日後の月曜日。
和弥は学校に行く事にした。
出席日数を稼ぐ為に。
和弥が栄翠でよく思われていないのはよくわかっているようだし、もっとランクの低い高校でも構わないという考えもあるようだが、なぜか学校へ行く。
矛盾。
全くもってそう言わざるを得ない。
辞めてもいいなら行かなければいい。
しかしそう出来ないのが和弥。
辞めろと言われれば、なんの迷いもなく辞めるのだろうが…
中途半端。
自身で落ちるところまで落ちることもできないのだから。
和弥は自身の教室の机に腰掛け頬杖をついていた。
むすっとするそれは誰の侵入も許さない雰囲気。
和弥がいる教室はいつもピリピリと空気が張り詰める。
クラスメイトは和弥を恐れているのだ。
どうしてこの栄翠にあんな奴がと誰もが感じていた。
そんな空気が和弥をさらに苛立たせ、それを感じ取った教室内の生徒がさらに怯える。
悪循環。
しかし苛立つものは仕方がない。
ならば怯えるのも仕方がないと言えるのだが…