封印せし記憶
そんな教室にいる自分が堪らなく嫌になる和弥は、昼休みに入ったことを知らせるチャイムが鳴り響いた瞬間に席を立った。
そして屋上に向かう。
本当は立ち入り禁止だが、そんなことは関係ない。
そんな生徒が数人はいるようだ。
鍵が壊れているドアがあるのだ。
鍵が壊れているドアがある場所へと足早に向かい、勢いよくそのドアを開けた。
その瞬間、春のような暖かい陽射しを受けた和弥。
今日は天気がいい。
秋晴れ。
澄み渡った空、陽射しが気持ちいい。
おもむろに寝転んだ和弥は大きく伸びをした。
ここは息が詰まる。
そう思いながら目を閉じた和弥。
目を閉じても太陽の光は感じていた。
それなのになぜか急に陰った。
雲は見あたらなかったはずだから、太陽が隠れたとは思えない。
ではなぜかと目を開けると、和弥の頭上付近に誰かが立っていて、和弥を見下ろしている。