封印せし記憶


「…修史か。どうしてこいつを連れて来た」

和弥が冷ややかな声でそう告げると、申し訳なさそうに悪いと一言謝る修史と呼ばれた少年。


「どうしてそんなこと言うの!?私はずっと和弥だけなんだよ?」
「知るか。俺はおまえに付き纏われるのは迷惑なんだよ」

和弥は冷めた目つきで少女を見やり、感情を殺したような冷徹さで告げる。

「っ!?和弥のバカっ!和弥は誰かと付き合ったりしないってあんなに何度も言ってたじゃない。それなのに最近誰かと付き合ったって聞いて、あたし飛んで来たんだよ!?」
「…来てほしいなんて誰が言った?だいたい、どいつもこいつも…彼女じゃねぇって言ってんだろうが」

最後は独り言のように、小さく呟いた和弥だったが、その言葉を少女はしっかりと耳にしていた。
パッと表情が輝いたのだ。

その輝いた顔はまるで自身にも望みがあるとでも思っているかのようではあるが、和弥は全く欠片も少女を相手にしてはいない。



そもそも突如現れたこの2人は誰なのか。

簡潔に言えば和弥の中学の同級生だ。


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