封印せし記憶
翌日
翌日の放課後。
涼子はまたしても栄翠学園を訪れていた。
そして校門で和弥を待ち伏せる。
もちろん昨日の事が納得出来ずにいたからだ。
昨日はあまりのショックに放心状態になってしまったことを涼子はほぞを噛む思いで下唇をぎゅっと噛み締めていた。
20分も待つと和弥が校舎から歩いてくるのが見えた。
そして当然のように隣を歩く静菜。
それが涼子にはどうしても許せない。
「和弥っ!」
涼子の声に反応した和弥は途端に不機嫌そうな表情になる。
しかしそれはいつものことだと、涼子は気にも留めない。
「ねぇ、和弥っ。これからどっか行かない?遊びに行こうよ」
涼子は甘えるような声で上目使いに和弥を見上げた。
「……」
しかし和弥はまるで聞こえていないかのように、無言で歩き続ける。