あいつ~序章
 あいつの後ろ手の両手首を右手でまとめて掴むと、俺は左手であいつの右腿を俺の肩まであげて掛けた。

 あいつの呼吸が激しくなった。俺は自分のビーチズボンを急いで下にずらし、怒張したものに唾をなすくりつけた。
 あいつの黒いビキニパンツを、尻のほうから力いっぱい引っ張った。右腿まで脱がすとその弾性であいつの左腿も上がり足の自由を奪う。
 おしめを変えられる赤ん坊の様に足を上げられたあいつは、哀れな強姦者を軽蔑の目で睨んでいた。女王のような気位を保って。
 俺の胸の下にたくし上がった奴の濡れた下着から、汗と付着した残尿の香りが上がってきた。
 顔を埋めて吸い込み舐めたかった!こいつの『全て』は俺の脳幹を刺激し、野獣へと変える!長い人生の中で、こんな『異性』に巡り会える機会は他にあるのだろうか?

 俺はいきり立った物の先をあいつの中に押し込んだ。
 あいつはもがいた。苦しそうな声を上げた。唾の量が足りなかったのか。『蕾』が完全に密着しているのか。
 先がめりこんで行く。亀頭がようやく入った。あいつは涙を流して喘いでいたが、俺を見ようとはしない。俺はあいつの左足も俺の肩に掛けた。あいつの臀部が持ち上げられ、肛門が俺の先を含んだまま上を向く。俺の額からの汗が顎からあいつの胸に落ちた。
 俺は顔を近づけ、あいつの唇に口を付けた。あいつが震える声で脅すように言った。
「お前の舌を噛み切ってやる!」
 俺は聞こえなかったかのように、あいつの口を口で封じ、首を振りながらむさぼり吸った。そして舌を入れていった。隠れている舌を探して触れた。甘い唾液の味が口に広がる。

 あいつは目をつむり、応えようとはしない。
 噛みついて来る様子もない。

 信頼していた者から受ける苦痛と屈辱にただ耐えているのだ。
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