あいつ~序章
 黒いタンクトップをたくし上げて乳首を晒し、ビキニパンツを尻を出すまで下げて横を向かせた。
 あいつの濡れた茎はビキニパンツにくるまっている。これから始まる長時間の交合の間に、あいつが放つ精液をそれが受け止めてくれる。

 後ろからの行為ではあいつが勃起することは少ない。前立腺への刺激と快楽は、あいつを男として立たせることなく絶頂を何度も迎えさせ、精液を放出させるのだ。

 あいつは俺とのセックスでは『おんな』になるという徹底した屈辱感を受けるはずだ。はじめてあいつと交合したときあいつは俺を憎しみの目で見た。だが、今は俺を受け入れ、マゾヒスティックな快感を呼ぶのだろうか?
 俺はベッドの横にあるオイルを取って、俺のものに塗った。あいつは目を虚ろにして息を突きながら待っている。

 あいつを腹這いにして膝を立たせ、ゆっくりとあいつの中に差し込んでいく。あいつが喘ぐ。以前のような抵抗感はもうない。あいつは力を抜いて俺を一息ごとに受け入れていく。
 嗚呼、なんという感覚。

 恋焦がれた者を征服して行くというオスの性を持つ者の至福か。
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