ベイビーベイビーベイビー
 
 再び、祥吾の頭部に鈍い痛みが走った。

 そればかりか、今夜は突然、強い悪心までもが祥吾を襲った。


「何だ、これ……」

 祥吾は目を閉じると、デスクに肘をつきで、両手で頭を包んだ。


「やっぱり疲れてるんだな……」

 祥吾は深く息を吸った。


「あと少しで終わる……」

 そう、あと少しで優しくなれる――…


 あと少しで――……







 その時――



 男たちがキーボードを打つ音だけが静かに響いていた社内に、突然「ガシャリ!!」 と大きな音が上がった。



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