ベイビーベイビーベイビー
 

 三人の訪問に気付いた祥吾の両親は、部屋の脇に備えられたソファーから立ち上がると、無言で頭を下げた。

 祥吾の両親はすっかり憔悴しきった様子で、互いに言葉を交わすこともなく、冷たく光る床をただじっと見つめていた。


「それで、祥吾さんの容態は?」

 二人のただならぬ様子を見、苦々しい事実を覚悟した綾乃の父親は、とにかく今はその諸悪の根源を知りたかった。


「くも膜下出血じゃないか…って…」

 祥吾の母親は先ほど医師から告げられた検査結果を、綾乃たちに伝えた。

「えぇっ?」

 綾乃の両親は声をそろえて驚いた。



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