ベイビーベイビーベイビー
そんな風に始まった飲み会も中盤に差し掛かった頃、やはり佐竹という男のアメリカでの暮らしぶりが話題の中心になった。
悪い事に佐竹は話術にも長けており、女性メンバーは(彰人の隣で彰人の話し相手になっていた女性も)あっという間に佐竹の話を夢中になった。
毎夜 誰かの家で開かれているホームパーティの楽しく華やかなこと、そしてそのパーティに参加する度に独り身が大変寂しく思えたこと、次に海外に赴任する機会があれば是非配偶者を連れて赴任したいこと等々――
そのような話を聞かされた女性が佐竹に関心を持つのも、彰人には当然のように思われた。
そう、彰人がもやもやした気持ちを抱いているのはその佐竹への“やっかみ”からに他ならなかった。
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