ベイビーベイビーベイビー
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 雨脚は益々強くなり、窓ガラスに雨水がはねる。

 それは彰人の重く暗い陰を助長した。


 このような気持ちを抱いたままに、4日後には母親の決めた見合いにも臨まねばならないとは――。

 
 一人きりの休日、一人きりの部屋で、彰人は憂鬱さを積もらせていった。



 曇る窓ガラスの向こうを焦点定まらず見つめていた彰人は、【industry】で愚痴を零す気持ちにもなれず、掛け布団を頭まで引っ張り上げたて無理矢理に目を閉じたのだった。







〜『悩めるベイビーたち』 彰人 〜

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