ベイビーベイビーベイビー
 

 そんな真理江が 今まさにこのような不安を抱いているなどと、誰が想像出来るだろうか。


――この先30代、40代となっても、会社は今のように自分を必要とするだろうか?


 不安とは、更なる不安を生む元でしかない。

 祥吾の事ばかりではなく、会社に対しての漠然とした不安も、常に彼女の胸中にあった。




 時刻は23時を迎えようとしていた。

「さて、片付けるかな」

 努めて明るく呟くと、真理江はテーブルに残されたままの食器を ゆっくりと片付け始めた。








〜『ベイビーな人々』 真理江 〜

< 15 / 475 >

この作品をシェア

pagetop